札幌で家を建てた話

初めまして

建築士(1級の方)を持ってますが
工務店で家を建てた話です

なぜ自分で設計せずに工務店にお願いしたか(勉強不足の言い訳)
・勤めている会社が木造をやっていないので細かい納まりまで詳しくないし大工さんに知り合いがいない
・仕事が忙しい(ブログを書く暇はある)
・建てた後に間取り等や設備の事で妻に文句を言われたく無い(これが一番の理由)

施主支給って結局どうだったのよ?問題

施主支給でどれくらい安くなるのか


これは本当に工種によってピンキリですが
金額の大きい工種の方が金額的メリットが大きいと思います


基本的に見積もり金額は、仕入価格+取付手間+運搬費+経費(利益、アフター経費)
なので施主支給してくれるの会社がどれだけ頑張ってくれるかにも
よります


例えば
キッチン+食器棚 設計価格210万
工務店見積もり 210万×60%=126万
施主支給    210万×50%=105万
差額 21万


これくらいだとやる価値はあると思います


洗面化粧台 設計価格11万
工務店見積もり 11万×60%=6.6万
施主支給    11万×50%=5.5万
差額 1.1万


差額が1.1万であれば
後ほど説明する施主支給のデメリットの事を考えたら
工務店に任せた方が良いのかなと思います 


※設計価格は、実際にLIXIL、TOTO、クリナップ、パナソニックの
 ショールームに行けば商品の説明を受けながら見積もりしてもらえます
 ただし設計価格見積もりを出す場合、事前電話予約が必要です


パナソニックのショールームには
外壁 サイディングメーカーのKMEWショールームも併設されています


TOTOのショールームには
フローリングや木製建具、既製棚のDAIKENショールームも併設されています




札幌ショールーム │ ショールーム │ クリナップ


施主支給のデメリット


僕がやってる仕事の取引先には
木造大工さん以外全ての業種があるので
ほとんどを施主支給にしようと思えば出来たのだが
(実際に会社の先輩で間取りだけ自分で考えて
 基礎と大工さん仕事以外全部施主支給でやり諸経費込み坪55万円程度で
 建てた先輩もいる)


結局はキッチンと一部照明だけにする事にしました


何故かというと
・全部自分で工程(工事のタイミングや搬入のタイミング)
 や施工管理(工事がちゃんと出来てるかチェック)をしなければならない
(そんな暇無し)
・色々とこだわりたい納まりがありノウハウがある住宅工務店に任せた方が良い
不具合など自分に責任がのしかかるのが嫌だ
・ローンを組むときに銀行からの支払先は基本的に1社なので
 大工さんの会社が請負契約のまとめ先になってもらわないといけない


などなど結構面倒なんです


実際に工務店、ハウスメーカーは応じてくれるのか


ハウスメーカーは、ほぼほぼ施主支給断られます
出来ても照明くらい


工務店によっては応じてくれますが
「建てた後のアフターメンテナンス(保証)が…」などと言われ
 認めてくれない所も結構多いですね


ただこれに関しては
自分で直せそうな簡単なメンテであれば建てた工務店が無償で
やってくれる場合があるのでその分の経費を事前にもらいたい
と言うのもわかりますが

基本的に1年~3年くらいメーカー保証がつくので
故障時にはメーカーに連絡すれば良い話なのですが…



照明の施主支給について


照明は施主支給にしてネットで買うと結構安くなります。
ただし、支給できるのは電気工事が必要無い部分のみとなります
(LED埋め込みダウンライトの価格も結構安いんですけどね)


僕がやったのは
ダイニング上のペンダントライトを角型引掛シーリングに変更してもらい

ペンダントライトをネットで買いました


子供部屋2部屋もダウンライトから角型引掛シーリングへ変更
シーリングライトを自分で買いました


ネットで買う場合は納期に注意してくださいね
外国製のオシャレライト買ったは良いけど1ヶ月以上納期かかって
家は完成したけど照明が無い…なんて事も



施主支給は色々面倒ですが
その手間に見合う減額ができるのであれば挑戦してみるのも
面白いと思います。


棚をあとでDIYするように
あらかじめ下地だけ入れてもらうなんて事もありだと思います。



結局、僕の場合
自己資金から キッチン100万+IHコンロ10万+照明7万かかりました
IHコンロは自分でネット(価格コム最安値)で買い
施主支給の施主支給をしました(笑)



断熱材は何がいいの?問題

北海道で家を建てる時に優先順位の上位にくるのが
暖かい家ではないかと思います。


すいません、いきなり断熱材以外の話をしますが
暖かい家にしたければ窓にこだわろう!
(冬場、家の熱は50%以上窓から逃げます)
家にいて寒い原因は
1.実際に家の温度が低い
2.窓に熱を奪われた空気が下方向へ→気流が起きる→寒い
3.壁や窓の表面温度が低い→輻射熱で寒く感じる
だからです。
(2番は、窓以外にも3種換気で 
外気を直接取り入れている換気口からの風でも感じます)


実際に住んでみて札幌であれば、樹脂枠の2枚ガラス程度でも十分です
LIXILのエルスターS(Low-e)、YKKのAPW330などなど



もう少し予算に余裕があれば
トリプスガラス(3枚)やクワトロガラス(4枚)なども…


話がそれましたが
住宅展示場やオープンハウスを数十か所まわった時に
必ず断熱材はどうしてますか?と聞きまわって
自分で勉強し、検討した結果をまとめたいと思います。



■高性能グラスウール(16kg/m3など)
・まず最初にこれだけは言いたい。結露での黒カビ問題は20年前の話です
 一部ハウスメーカーでグラスーウールは危険!とか写真を見せられますが
 現在の内部側防湿層をしっかり行う工法ではそんな事ありえません!
 そもそもグラウウールはガラス繊維なので水を吸いません
 (僕個人的にはホントそういう風にして自社の工法を採用させようとするのは
  悪徳リフォーム業者が浄水器を買わせる手法と同じなのでは?と思います)
・ほとんどの工務店で採用しています
・僕が家を探していた当時の流行というか標準的な工法は
 グラウウール厚さ105mm+付加断熱(押出法ポリスチレンフォームt50)とか
 (フェノールフォーム)などなど
・振動による断熱材の下がりは、施工している所を見ればわかりますが
 高密度なのでほぼ無いと思います。 
・グラスウール自体のコストは安いが一般的な柱サイズ105mmより
 厚くしようとすると木工事(大工さんの手間と材料)が増えるため
 割高になる。
・大切なのは
 室内側をしっかり防湿シートで密封する事(コンセントや土台廻りも)
 断熱層内で気流を起こさない工法でする事などなど

 ローコストメーカー含め数社で確認しましたが
 どこの大工さんでも室内側防湿と気流止めはシッカリやっているとの事です。


 東北にある工務店のサイトです↓時間のある方は読んでみてください。
 非常に分かり易く書いてあります。



■外壁内ウレタン充填パネル工法
・パネルを工場で作成するので大工さんの技術力のバラツキを補正できる
・パネルの運搬費、材料費などでコストがかかる
・窓の大きさに制限があり、建てる前の打ち合わせ中に窓の大きさの変更が
 難しい。
・地震等で建物は変形した場合にウレタンが変形して隙間ができるのでは?
 (あくまでも推測です)
・メーカーによっては室内側に防湿シートを施工しない
・構造用合板(OSB)で断熱材を挟む為 外壁通気層の意味があまり無い?
 (グラスウールも外壁面付加断熱の場合、外壁通気層の意味が無いような…)


■外壁面現場発泡硬質ウレタンフォーム吹付け工法
これについては最初から検討外でしたのであまり情報が無いので
RC造で使ってる場発泡硬質ウレタンフォームのイメージより


・結構お高い
・色々な種類があるらしい(燃えにくい、発泡率が高いなど)
・一般的な発泡硬質ウレタンフォーム吹付けは、燃えやすい、
 伸縮が激しいので構造木材や内装木材への影響が心配(かなりひっぱられます)
・たぶん商品によるんだろうけど結構固いので木造の乾燥変形や地震時に
 断熱材が割れないのかな?
・使う吹き付け材の種類によるが次世代フロン、4世代フロンなどを使用した場合
 ガス抜けで将来断熱性能下がる?(一部製品ではノンフロンなので下がらないらしい)


■外壁面 ロックウール吹込み工法(BIB工法)
・グラスウールより高いがなんか良さそう程度しかわかならいです
 すいません


BIB工法 (北海道札幌市)断熱工事・防音(音響)工事・換気工事|音熱環境開発株式会社


結局で、結局うちは
コストパフォーマンスに優れている
グラウウール厚さ105mm+付加断熱(押出法ポリスチレンフォームt50)にしました。


何人かの住宅設計している友人にも相談しましたが
グラスウールで全然問題ないとの事です


十分暖かいですよ、光熱費も想定より安いし

なにより多くの工務店で採用しているって事は、それだけ大工さんが慣れているので
施工ミスが少ないって事だと思います。


あと最初に書きましたが断熱材の厚さいくら厚くしても
窓の性能良くする、換気を1種熱交換換気にしないと
なかなか暖かい家には、ならないのでは無いかなと思います

外壁はいったい何がいいの?問題

家を建てようと決めてから
色々なモデルルームを見に行ってまず最初に悩んだのが外壁だった


ちょうど義実家が建ててから10年経ってた事もあり
メンテナンスでお金かかるなら多少高くても長持ちするのが良いよねと
事前に妻と話し合ってはいたが予算にも限りがある
お金があればALLタイルにしたかった…


LIXILのベルパーチとか 他社のタイルとか良いのいっぱいあるんですよ
LIXIL | タイル建材 | ベルパーチ


んで
だいたい工務店に行くと進められるのが一般的な
14mmのサイディング


まぁ最近はデザインが増えて悪くは無いんだけども
建物コーナーや1階と2階の間、板と板の間にシーリング(コーキング)のラインが
入ってカッコ悪い…


耐久年数目安が10年なのでメンテナンスコストがかかる…


色々な工務店の方々に聞きまくったり自分で調べた結果をまとめると
(なんせ住宅や木造は専門外なので間違いなどがあればどうか指摘お願いします)


■外壁を劣化させるのは主に紫外線である
 (外壁が木材の場合雪による凍害もある)
■外壁方角によって紫外線(日光)が多く当たる面は劣化が早い
■外壁にお金かけてもシーリングの耐久年数は10年くらいよ
 (サイディングメーカーでは15年保障のもあるが少し高い)
紫外線から外壁を守ってるのは板金でもサイディングでも塗装でもコート材
■窯業系サイデイングは10年とか15年後のメンテナンス時には
 サイディングの上から塗装を上塗りするので
 模様がつけられない(つけられたとしても手間がかかり高額に)
 光触媒機能などの汚れを落とす機能はそこで無くなる
  


コート材について
塗装
フッ素樹脂塗料 15年~20年 結合エネルギーが高い 価格も高い
シリコン樹脂塗料 10年~15年
アクリル樹脂塗料 8年~10年


左官系塗装
妻もそう呼んでたのですが塗壁とか呼ばれているもの
コテ模様をつけると値段が上がると思います。
何社かで教えてくれた材料名

・ウッドブリーズフィニッシュコート

・オメガアクロフレックス



義実家が左官系塗装なのですが10年経っても全く見劣りしません
もちろんメンテナンス必要ですが選ぶ色次第で経年の見劣りは防げると思います。


シーリング使用箇所は、窓周り、他の材種の壁との間部分のみ(少ない)


窯業系サイディング(各メーカーによる)
・ニチハ株式会社
 プラチナコート15年
 プラチナシール15年(シーリング、コーキング)
 上記セットで15年保障
 パワーコート10年
・KMEW
 光セラ、親水セラ、(親水パワー?)+スーパーKMEWシール 15年保障


シーリング使用箇所は、窓周り、建物コーナー材、板と板の間
他の材種の壁との間などで多くなる傾向だが
最近ドライジョイント工法のサイディングが登場
シーリング使用箇所も少なくなり20年~25年持つらしい(たぶん価格は高い)


金属系サイディング、ガルバニウム鋼板
・ニチハ株式会社・KMEW・アイジー工業など
フッ素コーティング 10年~
ウレタンコーティング 10年


シーリング使用箇所は窯業系サイディングとあまり変わらないが
水切りやカバー材でシーリングに直接紫外線が当たりにくい
ガルバニウム鋼板縦葺きだと 窓周り、水切り、他の材種の壁との間などで
やや少なくなる。




んで工務店にお願いして色々見積もり取ったんですよ(迷惑な客)


結局
ガルバニウム鋼板縦葺き(フッソ樹脂コーティング)
+一部塗装ウッドブリーズフィニッシュコート
+道南杉貼り にしました


理由
・自分の好きな北海道で活躍する建築家の設計がガルバニウム鋼板縦葺きが多いので
・コストパフォーマンス(フッソ樹脂コーティングなのにそんなに高くない)
・シーリングが目立たないし少ない
・メンテナンスコストが少なくて済む
・10-15年後塗り替えた時に違和感を感じない
・左官系塗装を取り入れるのは妻の強い希望
・若干目立ちたがりなので1種類の外装はいやだ